Rusty Girl ByE Bye.ゆめにっき派生「.flow」レビュー。



というわけでゆめにっき派生のパイオニア的作品「.flow」を唐突にレビューしたくなったので少々の自己解釈、または解説...になるかどうかはわからないんですけどとりあえずゆるくレビューしていこうと思います。

twitterの方で軽いレビューは既に行ってるのでそれの補足とおもっていただければ......


当然ながらネタバレ注意です




ちなみにtwitterで自分が行ったレビューを引用すると...

「血と錆と蔦に侵された生理的嫌悪指数MAXの世界観。確実に答えが存在しそうだが明確な所にたどり着けないストーリー性。何回もプレイを断念しそうになる程の鬱方面への没入感は流石としか言いようがないですね。」

と、まぁまた文才が無いものでわけのわからない、全くもってゲーム性のわからない文になっておりますね。

とりあえずまず書いた「生理的嫌悪指数MAXの世界観」。

実際スクショとかを見てみると....

まぁこういうかなりド直球の死体安置所(モルグ)マップや...

謎の奇形生物が一室に不意に現れる学校等。まぁどの世界もよくここまで作りこむなってくらいの不穏な空気に包まれているわけであります。

こう、「不穏な空気」っていうのはゆめにっき派生における大事な要素、表現方法の一つだと思うんですけど、この.flowはその空気感の作り方がすこぶる上手いんですね。

ここに関してはもう派生界随一の出来なんじゃないでしょうか。


ここでまたtwitterの引用になるんですけど「何回もプレイを断念しそうになる程の鬱方面への没入感」というのがここで絡んでくるんですね。

不穏なホラー要素等の一つ一つの説得力、プレイヤーへの精神的影響力が尋常じゃないというか。

例えば、まず「世界のつなげ方」がこれまた上手い。扉部屋から各世界に羽ばたいて行くわけですが、奥地に進めば進むほど世界が.flowの恐怖要素を象徴する「」、「」、「」に侵されていくと。

これだけ聞くと「大体怖いとこは奥地にあるものじゃないか」って思われるかと思うんですけど、この世界観が段々陰惨になっていく様が非常に丁寧に作られているんですよね

個人的に一番生理的嫌悪感をかきたてられた植物世界周辺なんかは特にその点を徹底していた印象ですね。

正直この辺泣きそうになりながらやった思い出があります。

どこか幻想的で美しくも禁忌的なイメージを持たせる蔦まみれの通路を抜け、明らかに健常者じゃない子ども達が所々に立ち尽くす植物回廊を抜け、一気に開けた世界に出るとその子供達がひたすら行進を繰り返している.....

画像みただけじゃ中々伝わらないと思うんですが、言うなれば真っ白だった画用紙が段々と血の赤に染まっていくかのようにしっかりと段階を踏んでグラデーション的に世界が変化していくと。

この手法が全編用いられていて(もちろんいきなりヤバい世界に様変わりするような所もありますが...)こちらの気持ちを醒ましてしまうことなく抜群の没入感を持ってプレイできるのです。

以前どこかで.flowを西洋ホラーのようだと書いてある記事を拝見したのですが、こう考えると世界観、外見はグロテスクでバイオレンスな西洋ホラーのようで、この絶妙の言わばわび・さびを軸に据えた構成はある種、質の良い和性ホラー的な感覚ではないでしょうか。

以前自分のtwitterにも「これは日本人にしか作れない作品でしょう」と書いたのですが正にその通りだと思います。近い作品をあげるとすればやはりサイレントヒルでしょうか。

先に進みたくなる気持ちともうプレイを中断したくなるような気持ちがせめぎ合う独特な感覚はまさにサイレントヒルプレイ時の感覚と近いかもしれませんね。

また、よくホラーゲームなどで、難易度の高さ、ビックリ要素、行き過ぎなゴア描写などの連続である種ちょっと笑える雰囲気になってしまっている作品等がありますが、.flowはそれくらいの濃ゆい描写の連続なのに全くおかしな雰囲気になっていない、緊張の糸を一切とぎれさせてくれないのですよね。ここまで破綻の無い、恐怖描写のバランス感覚に優れた作品って国内のホラーな雰囲気を扱った作品で探しても中々無いのではないでしょうか。

.flowが未だ派生界で、更に海外でも根強い人気を誇るのはゆめにっき派生にこういった和製ホラー的な感覚を丁寧に折り重ねて作った作品だからなのではないでしょうか。


また、自分は考察等あまり得意じゃあないのですが、それでも思わず「これ、こういうことだよなぁ...」と思ってしまうような本家ゆめにっきよりかなり強めの、むしろ派生界でも屈指の濃厚なストーリー性も素晴らしいですね。こちらのいや~な感じの妄想が膨らんで膨らんでどうしようも無くなるくらいバックストーリーが緻密に作ってある印象です。派生界でも特に考察が盛んなのも頷けます。


BGMの方もまた気色悪い(いい意味で)といいますか、綺麗目な世界の曲もどこか孤独感や居心地の悪さを覚える秀逸な出来ですね。人間味を廃した無機質で機械的な響きはどことなくインダストリアル的な匂いも感じます。


(余談ですがsugars holeマップのBGMは制作者様も敬愛なさってるkiller7のカーティス邸のBGMのオマージュ的な匂いを感じます....違ったらごめんなさい....どちらも名曲です.....)

ひとしきり語りたいことは語ったのでここからは単純明快に印象に残った世界とかを貼ってみます

(個人的にかなりキツかった所)

(綺麗目な雪原世界ですが、同時に作中屈指の孤独感を感じる世界でもあります)

(ちなみにBGMが個人的にかなりお気に入りです)

(ここが好きって方かなり多いかもしれませんね...このオレ子《潜水服の少女》が作る機械や迷路マップに象徴されるサイバーなどことなく近未来なモチーフも禁忌的なイメージの構成に一躍買っているかもしれません)


まぁざっとこんな所ですかね...

それでは最後に、プレイ後になんとなく.flowの世界に合いそうだなぁ...と思った曲を失礼ながら紹介いたします。


愛聴しておりますNine Inch NailsLa Merという曲ですね。

思わず聞き惚れてしまうようなピアノロールが段々とノイズの洪水の中に沈んでいくような様がどことなく.flowっぽい...かもしれませんね。

というわけで、結局かなり散漫な文になってしまいましたが.flowレビューこれにて終了したいと思います。ありがとうございました。

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